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歯科医師
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
歯科医師(しかいし、英Dentist)は、歯科医療の領域において、歯科医学に基づいた傷病の予防、診療および公衆衛生の普及を責務とする医療従事者である。その職務等に関しては、歯科医師法により規定されている。業務独占資格および名称独占資格の医療資格である。
一般に、「歯医者」(はいしゃ)と呼ぶことが多い。
医師・薬剤師とともに、医療3師(医療系3大専門職)の1つ。
目次
1 歴史
2 名称
3 日本の歯科医師制度
4 専門分野
5 専門医・認定医資格
6 歯科医師に付与される資格(医師同様)
7 歯学部歯学科を持つ日本の大学(29校)
7.1 国立大学法人(11校)、公立大学法人(1校)
7.2 私立(17校)
8 関連項目
9 外部リンク
歴史
明治維新前:明治維新以前は、口歯科、口中科を専業にする医師がいて、口、喉、歯の治療をおこなっていた。世界的には紀元前2500年頃のものと推定される義歯がギーザから発掘されている。
明治維新後:明治6年に「医制」が発布され、西洋を模範とした医療制度が整えられ始めた。「医制」により、医師になるには、医術開業試験を合格することが求められた。明治8年、小幡英之助は第1回目の医術開業試験に「歯科」を専門に試験を申請し合格した。小幡は医籍4号をもって登録された。これは「歯科を専攻する医師として登録された」ということであるが、小幡が西洋歯科医学を専攻した先達であり、「歯科」という語を初めて用いたこともあり、日本で最初の歯科医師とされている。明治16年、医籍とは別に歯科医籍が作られ、医師と歯科医師とは独立した、別個の存在となった。明治39年、法律48号により歯科医師法が制定された。昭和17年、大戦中の医療体制確立のために、医師法と合わさって国民医療法となったが、歯科医師制度そのものに変化はなかった。戦後、国民医療法は、医師法、歯科医師法、医療法(医療機関について規定)にわかれ、現在に至る。
名称
日本:歯科医師 アメリカ:dentist 中国:牙科医
日本では現在では大学で歯学を学んで卒業しなければ歯科医師国家試験を受験できないので、歯科医師は原則として学士(歯学)Bachelor of Dental
Scienceである。米国では歯科医学校はすべて専門職大学院であり、卒業生はDoctor of Dental Surgery
(DDS)の学位を得る。米国では全米統一の歯科医師試験が歯科医学校の卒業試験を兼ねるので、DDSは歯科医師と同義語である。このため日本の歯科医師も、アメリカではDDSと称することが多い。ここでDoctorというのは専門職学位としてのDoctorであり、学術上の学位(academic
degree)のDoctorとは別物である(日本でも法科大学院を修了すると法務博士を得るが、学術上は修士扱いである)。なおハーバード大学歯科医学校(もとより専門職大学院である)など米国東部の一部の大学では、歴史的経緯からDoctor
of Dental Medicine(DMD) の学位を授与している。つまり米国では歯科医学校を卒業(すなわち歯科医師試験に合格)すると、「DDS」「DMD」のどちらかの称号を与えられるが、両者の社会的評価に全く差はない。
なお「歯学博士(博士(歯学))」の英語訳はDoctor of Dental Science (DDSc) が近いが、DDSと混同されることが多いため「Ph.D」(Doctor
of Philosophy)と訳すケースが多い。しかしPh.Dは、ニュアンスとしては純粋な科学を修めたことを意味するするため、適切ではない。米国でDDS
PhDといえば、歯科医学校を卒業しただけでなく、さらに生物など純粋科学の大学院を修了して博士(理学)を取得したようなニュアンスに取られ、非常に尊敬される場合もあるかもしれないが、むしろ変人と思われる。米国ではDDSだけで充分な社会的評価が得られるので、さらにPhDを取るような回り道はしない(日本でも歯科医師が博士(理学)を取れば、とても尊敬されるか変人と思われるかであろう)。これは、医学博士(博士(医学))取得者などでも見られる誤った使用法である。
歯科医師になる為には、厚生労働省が指定した大学の歯学に関する正規の課程(歯学科)を経て、国家試験(歯科医師国家試験)に合格しなくてはならない(「学士(歯学)」だからと言って歯科医師とは限らない)。
日本の歯科医師制度
歯科医師養成およびその後の一般的なスケジュール(卒後臨床研修は平成18年度より必須化)日本において歯科医師は、医師とは別の国家資格であり、歯科医師国家試験に合格したものに対して厚生労働大臣より免許が与えられる。
歯科医師国家試験の受験資格は、大学において歯学の正規の課程
(高校卒業後6年間。学士入学者は4年間〜4年半)を修めて卒業した者などに与えられる。免許を与えられた者は歯科医籍に登録をうけられ、これにより独立して歯科医業を行うことができる。
さらに医療機関(診療所、病院)の開設者になる(すなわち開業する)には、歯科医師免許取得後1年以上の卒後臨床研修を修了しなければならない。
歯科衛生士に認められている一部行為を除き、他者の指示に基づかず歯科医業を行うことは歯科医師のみに認められている。また、主に歯科医業を行う病院及び診療所の管理者も歯科医師が就くものと定められている。
現在、歯科医師免許に更新期限はなく、歯科医業停止・免許取消を医道審議会により決定されない限り生涯にわたって有効である。
歯科医師免許は、診療科ごとに交付されるものではない。その為、各診療分野の学会が学会認定医などの認定を行っている。これらは法的な拘束力を持つ資格ではないため、標榜科名(現在、歯科、歯科口腔外科、矯正歯科、小児歯科の4科が認められている)は自由に標榜できる。なお専門医資格は、各学会の専門医を持っていないと広告できない(医師の専門医標榜制度と異なる)。
医師との関係については、医師は医業、歯科医師は歯科医業の分野においてほぼ同じ権能を有するが、口腔および顎顔面以外の治療行為ができないなど法令上医師と若干取扱いが違う部分もあるが、基本的扱う部位が違うだけだけであり医療行為は同じである。尚、医師が歯科医業を行うことや歯科医師が医業を行うことは無資格者による行為として処罰の対象となる。
専門分野
歯科医師は、一般に齲蝕(むし歯)などの硬組織疾患を予防および治療する医療従事者と考えられているが、実際はそうではない。
歯科医師を大別すると下記のようになり、それぞれが連携あるいは跨って治療・研究を行っている。一部では、「歯科」というと歯一組織しか診ていないような印象を一般に受けることから、広く全身の健康増進・治療・予防という観点から「口腔科」、「口腔医」という名称を使用した方がよいとの意見もある(現在、法的に口腔科・口腔医と標榜はできない)。
基礎医学および歯科学を専門とする分野:口腔領域から全身領域における様々な基礎研究。医学部基礎医学系と類似するが、基本的に口腔内からのアプローチによる研究が主であり、これが医科との違いでもある。
硬組織疾患を専門とする分野:歯それ自体の疾患(むし歯など)を治療・予防する。
軟組織疾患を専門とする分野:歯周組織・舌の疾患(歯周病・舌癌など)を治療・予防する。
全身疾患を専門とする分野:例えば歯科麻酔科の救急医療や全身麻酔、歯科放射線科での全身疾患治療、歯周病科での口腔内微生物と全身疾患の関連研究など様々。
専門医・認定医資格
専門医資格(厚生労働省から広告が認められている資格)
口腔外科専門医(日本口腔外科学会)
歯周病専門医(日本歯周病学会)
歯科麻酔専門医(日本歯科麻酔学会)
小児歯科専門医(日本小児歯科学会)
学会認定専門医
歯科保存専門医(日本歯科保存学会)
歯列矯正専門医(日本矯正歯科学会)
口腔病理専門医(日本病理学会)
感染症専門医(日本感染症学会)
インフェクションコントロールドクター(ICD制度協議会)etc
認定医
日本成人矯正歯科学会認定医(日本成人矯正歯科学会)
日本口腔インプラント学会認定医(日本口腔インプラント学会)
日本歯科審美学会認定医(日本歯科審美学会)
日本補綴歯科学会認定医(日本補綴歯科学会)
日本口腔衛生学会認定医(日本口腔衛生学会)
日本歯科放射線学会認定医(日本歯科放射線学会)
日本障害者歯科学会認定医(日本障害者歯科学会)
日本顎咬合学会認定医(日本顎咬合学会)
日本顎関節学会認定医(日本顎関節学会)
日本全身咬合学会認定医(日本全身咬合学会)
日本歯内療法学会認定医(日本歯内療法学会)
日本歯科東洋医学会認定医(日本歯科東洋医学会)
日本スポーツ歯科医学会認定医(日本スポーツ歯科医学会認定医)
日本レーザー歯学会認定医(日本レーザー歯学会)etc
その他
一級解剖組織技術士認定(日本解剖学会)
歯科医師に付与される資格(医師同様)
無試験・講習(歯科医師資格があることにより付与される資格)
食品衛生管理者
衛生検査技師
衛生管理者 etc
有試験(受験資格が付与される資格)
臨床検査技師
労働衛生コンサルタント etc
歯学部歯学科を持つ日本の大学(29校)
国立大学法人(11校)、公立大学法人(1校)
北海道大学
東北大学
東京医科歯科大学
新潟大学
大阪大学
岡山大学
広島大学
徳島大学
九州大学
長崎大学
愛知大学
九州歯科大学(公立)
私立(17校)
北海道医療大学
岩手医科大学
奥羽大学
日本歯科大学(生命歯学部、新潟生命歯学部)
東京歯科大学
日本大学(歯学部、松戸歯学部)
昭和大学
明海大学
鶴見大学
愛知歯科大学
松本歯科大学
朝日大学
愛知学院大学
大阪歯科大学
福岡歯科大学
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2006/10/05制作 2006/10/18修正
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